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2013年7月17日水曜日

【309】敬語表現⑨まぎらわしい表現「はべり」「さうらふ(さぶらふ)」

【309】敬語表現⑨まぎらわしい表現「はべり」「さうらふ(さぶらふ)」・・・

◎今回登場の敬語◎

「 はべり ( 侍り ) 」[ ラ変 ]( ←「 あり」,「居(を)り 」の〔丁寧〕版 )
→『 あります』,『ございます 』

「 はべり ( 侍り ) 」[ ラ変 ]( 補助動詞〔丁寧〕
→『 ~ます』,『~でおります 』

「 はべり ( 侍り ) 」[ ラ変 ]( ←「 仕ふ 」の〔謙譲〕版 )
→『 おそばにいる』,『お仕えする 』

「 さうらふ,さぶらふ ( 候ふ ) 」[ ハ四 ]( ←「 あり 」の〔丁寧〕版 )
→『 ございます 』

「 さうらふ,さぶらふ ( 候ふ ) 」[ ハ四 ]( 補助動詞〔丁寧〕
→『 ~ございます 』

「 さうらふ,さぶらふ ( 候ふ ) 」[ ハ四 ]( ←「 行く」,「来(く)」,「あり」,「仕ふ 」の〔謙譲〕版 )
→『 お仕え申し上げる』,『参上する 』

◎解説◎
簡単に言ってしまえば,「はべり」「さうらふ(さぶらふ)」〔丁寧〕であるならば,
敬語動詞であっても,補助動詞であってもたいして問題ではない。『~です』,『~ます』,『ございます』と訳してしまえばいい。
〔謙譲〕の敬語動詞(→『お仕えもうしあげる』,『おひかえもうしあげる(そばについている)』という場合をどう見出すかということになる。
現代でもちょっと気取った大人の男性が女性のいる酒場にいって,「美女数人を侍らせて~」なんていう表現もあるけど,まさしくその「侍らせる」がこの意と同じになるわけだが,
古文の世界ではこの「侍らされる」人は貴人でなくてはいけない。
つまり,「侍る」べき人と「侍らされる」貴人の2人が存在しないとこの意にはならないを考えておけばあとは文脈理解にゆだねていいだろう。
短いけど今回はこれで終わり。

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