【306】敬語表現⑥ ちょっと脱線話でも・・・・ |
◎主語と目的語◎ |
敬語表現には
〔尊敬〕 〔謙譲〕 〔丁寧〕 の3通りの表現があり, 敬語表現が含まれる動詞の主語に対する敬意が〔尊敬〕であり, 敬語表現が含まれる動詞の目的語に対する敬意を〔謙譲〕であるということをこれまでに習いました。 この考え方は決して間違ってはいないのですが じゃあ1つ考えてみてほしいのは |
「主語」だの「目的語」だのを意識するようになったのっていつからでしょうか??? |
よくよく考えてみたら日本語の文法には「主語」はあっても「目的語」という文法用語は存在しません。
「目的語」という概念が頭の中に収まったのは英文法を学びだしてから・・・ではないでしょうか? それ以前に現代の私たちは主語や目的語を正確に挿入して日本語文をつくっていますか? 主語や目的語を正確に挿入した日本語文で会話していますか? おそらく「ノー」でしょう。 英語の感覚だと まずは主体(主語)を明らかにして(主体を宣言して) そして主体の動作(動詞)を表現していきます。 その動作の矛先(目的語)を明言します。 ところが日本語の感覚というのはまずは「動作」ありきなんですよね。 動作があるということはその主体(主語)や客体(目的語)はあるに決まっているのだけど そんなものいちいち表現しなくても「わかるでしょ~」という感覚なんですよね。 |
◎助動詞「る」「らる」に秘められた真実(!)◎ |
なんでこんな話をしだしたかというと
古文に使われている敬語動詞〔尊敬〕やら〔謙譲〕って 素の動詞(非敬語動詞)に戻してしまうと 実は「言う」「聞く」「見る」「思う」「行く」「来る」「いる」「食べる」「飲む」「着る」「乗る」「与える」「もらう」・・・・ くらいのもんで数えたことはないけど,たいした数ではない・・・・ な~んだ・・・それならかりに30種類としてもそれぞれに〔尊敬〕と〔謙譲〕があるとして30×2=60種類の敬語を覚えればいいのか・・・・ と考えてしまいたくなるところですが そうは問屋はおろさない。 |
①非敬語動詞1つに対して数個の敬語動詞がある |
②敬語動詞1つに対して数個の非敬語動詞がある(意味がたくさんある) |
③同じ言葉でも敬語動詞だったり補助動詞だったり,〔尊敬〕の意だったり〔謙譲〕の意だったりする |
というわけなのでこれがまた厄介なのです。
すべてを「文法的に」解明しようとするとそれはまるで幾重もの糸がからまったものを解きほぐす作業みたいになってしまいます。 |
これはわたしの考えだけかもしれないけど,多分・・・・
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