【210】助動詞⑩「まし」 「まほし」「たし」「ごとし」 |
「まし」 |
未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 | 接続 | 意味 |
ましか | ○ | まし | まし | ましか | ○ | 未然形 | 〔反実仮想〕〔ためらいの意志〕〔推量〕 |
ませ |
訳し方の基本:『(もし・・・だったらば)~だろう』〔反実仮想〕,『~しようかしら』〔ためらいの意志〕,『~だろう』〔推量〕 |
「A+ませ+ば+B+まし」,「A+ましか+ば+B+まし」,「A+せ+ば+B+まし」→『もしAだったらBだっただろうに』〔反実仮想〕 |
上記の場合の「ませ」「ましか」は「まし」の未然形,「せ」は〔過去〕の助動詞「き」の未然形である |
「疑問語・・・・・・・・・・・・+まし」→『~しようかしら』〔ためらいの意志〕 |
それ以外は単純に〔推量〕でよい |
この「まし」は英語でいえば「would」か「would like to」というところであろう。〔反実仮想〕というのは要するに仮定法過去のことだし,〔ひかえめの意志〕なんて「would」の2乗くらいそれこそ〔控えめな〕表現といえるだろう。 よって〔推量〕として訳すときであってもたとえば「べし」(=「shall,should」)などとは同じニュアンスではない。 |
「まほし」 |
未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 | 接続 | 意味 |
○ | まほしく | まほし | まほしき | まほしけれ | ○ | 未然形 | 〔希望〕 |
まほしから | まほしかり | まほしかる | ○ |
「たし」 |
未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 | 接続 | 意味 |
○ | たく | たし | たき | たけれ | ○ | 未然形 | 〔希望〕 |
たから | たかり | たかる | ○ |
訳し方の基本:「まほし」「たし」→『~たい,~してほしい』 |
「まほし」は平安時代,「たし」は鎌倉時代以降に使われる。 |
「ず」 |
未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 | 接続 | 意味 |
○ | ずく | ず | ぬ | ね | ○ | 未然形 | 〔希望〕 |
ざら | ざり | ざる | ざれ |
訳し方の基本:『~ない』〔打消〕 |
「ごとし」 |
未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 | 接続 | 意味 |
○ | ごとく | ごとし | ごとき | ○ | ○ | ※ | 〔比況〕 |
※活用する単語の連体形と助詞「の」「が」に接続 |
訳し方の基本:『~のようだ』〔比況〕 |
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