【209】助動詞⑨「べし」 「べらなり」 |
「べし」 |
未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 | 接続 | 意味 |
べく | べく | べし | べき | ○ | ○ | ※ | 〔推量〕〔意志〕〔可能〕〔当然〕〔命令〕〔適当〕 |
べから | べかり | ○ | ○ | べけれ | ○ |
※原則は終止形接続,ラ変型動詞・助動詞の連体形接続 |
訳し方の基本:『~だろう』〔推量〕,『~しよう』〔意志〕,『~できる』〔可能〕,『~すべきだ,~はずだ』〔当然〕,『~せよ』〔命令〕,『~がよい,~が適当だ』〔適当〕 |
一言でいえば→「む」よりは(話者の主観からみた)当然性が強いのが「べし」と思えばよい。→つまり確信をもって〔推量〕すること→主観的にみれば〔当然〕ともいえる。 |
結局のところ文脈判断ということになるのだが・・・ |
まずは〔意志〕〔命令〕〔可能〕を考えてみよう |
主語が一人称,主語を一人称(話者)にして話が通じるならば〔意志〕 |
主語が二人称,主語を二人称にして話が通じるならば〔命令〕 |
以上で意味が通じなければ「可能」を考えてみる |
それでもし文意が通じなければ,〔推量〕〔当然〕〔適当〕と文脈判断してみる |
まあ英語でいえば「shall」と「should」をあわせたような意味と思っていいだろう。もっとも英語の「shall」は〔話者の意志(未来)〕であり,それを弱めた(過去形にした)のが「should」だから『~すべきだ,~したほうがよい』という(強い強い)話者の主観的意志よりは少しひかえめなニュアンスになる。バカな教師は「must」=「should」などと教えるがこれは真っ赤なウソである。 「must」の原意は〔神の意志(→絶対性)〕 なので人間を含む万物の力を超越したものである。その証拠に「must」には弱めた形(過去形)がない。 |
「べらなり」 |
未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 | 接続 | 意味 |
○ | べらに | べらなり | べらなる | べらなれ | ○ | ※ | 〔推量〕 |
※原則は終止形接続,ラ変型動詞・助動詞の連体形接続 |
訳し方の基本:『~だろう』〔推量〕 |
「古今和歌集」の和歌によく登場する |
「まじ」 |
未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 | 接続 | 意味 |
まじく | まじく | まじ | まじき | ○ | ○ | ※ | 〔打消推量〕〔打消意志〕 〔打消可能→不可能〕〔打消当然〕〔打消命令→禁止〕〔打消適当→不適当〕 |
まじから | まじかり | ○ | ○ | まじけれ | ○ |
※原則は終止形接続,ラ変型動詞・助動詞の連体形接続 |
訳し方の基本:『~ないだろう』〔打消推量〕,『~ないつもりだ』〔打消意志〕,『~できない』〔不可能〕, 『~すべきでない,~しないはずだ』〔打消当然〕,『~してはいけない』〔禁止〕,『~てよいはずがない』〔不適当〕 |
要するに「べし」の打消と思っていればよい |
「じ」 |
未然形 | 連用形 | 終止形 | 連体形 | 已然形 | 命令形 | 接続 | 意味 |
○ | ○ | じ | じ | じ | ○ | 未然形 | 〔打消推量〕〔打消意志〕 |
訳し方の基本:『~ないだろう』〔打消推量〕,『~ないつもりだ』〔打消意志〕 |
主語が一人称ならば〔打消意志〕,そうでなければ〔打消推量〕と思ってよい |
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