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2013年6月25日火曜日

【209】助動詞⑨「べし」 「べらなり」

【209】助動詞⑨「べし」 「べらなり」
「べし」
未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形 接続 意味
べく べく べし べき 〔推量〕〔意志〕〔可能〕〔当然〕〔命令〕〔適当〕
べから べかり べけれ
※原則は終止形接続,ラ変型動詞・助動詞の連体形接続
訳し方の基本:『~だろう』〔推量〕,『~しよう』〔意志〕,『~できる』〔可能〕,『~すべきだ,~はずだ』〔当然〕,『~せよ』〔命令〕,『~がよい,~が適当だ』〔適当〕
一言でいえば→「む」よりは(話者の主観からみた)当然性が強いのが「べし」と思えばよい。→つまり確信をもって〔推量〕すること→主観的にみれば〔当然〕ともいえる。
結局のところ文脈判断ということになるのだが・・・
まずは〔意志〕〔命令〕〔可能〕を考えてみよう
主語が一人称,主語を一人称(話者)にして話が通じるならば〔意志〕
主語が二人称,主語を二人称にして話が通じるならば〔命令〕
以上で意味が通じなければ「可能」を考えてみる
それでもし文意が通じなければ,〔推量〕〔当然〕〔適当〕と文脈判断してみる
まあ英語でいえば「shall」と「should」をあわせたような意味と思っていいだろう。もっとも英語の「shall」は〔話者の意志(未来)〕であり,それを弱めた(過去形にした)のが「should」だから『~すべきだ,~したほうがよい』という(強い強い)話者の主観的意志よりは少しひかえめなニュアンスになる。バカな教師は「must」=「should」などと教えるがこれは真っ赤なウソである。 「must」の原意は〔神の意志(→絶対性)〕 なので人間を含む万物の力を超越したものである。その証拠に「must」には弱めた形(過去形)がない。
「べらなり」
未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形 接続 意味
べらにべらなりべらなるべらなれ〔推量〕
※原則は終止形接続,ラ変型動詞・助動詞の連体形接続
訳し方の基本:『~だろう』〔推量〕
「古今和歌集」の和歌によく登場する
「まじ」
未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形 接続 意味
まじく まじく まじ まじき 〔打消推量〕〔打消意志〕 〔打消可能→不可能〕〔打消当然〕〔打消命令→禁止〕〔打消適当→不適当〕
まじから まじかり まじけれ
※原則は終止形接続,ラ変型動詞・助動詞の連体形接続
訳し方の基本:『~ないだろう』〔打消推量〕,『~ないつもりだ』〔打消意志〕,『~できない』〔不可能〕, 『~すべきでない,~しないはずだ』〔打消当然〕,『~してはいけない』〔禁止〕,『~てよいはずがない』〔不適当〕
要するに「べし」の打消と思っていればよい
「じ」
未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形 接続 意味
未然形〔打消推量〕〔打消意志〕
訳し方の基本:『~ないだろう』〔打消推量〕,『~ないつもりだ』〔打消意志〕
主語が一人称ならば〔打消意志〕,そうでなければ〔打消推量〕と思ってよい

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