カテゴリー

2013年6月25日火曜日

【205】助動詞⑤「す」「さす」「しむ」

【205】助動詞⑤「す」「さす」「しむ」
「す」
未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形 接続 意味
する すれ せよ 〔使役〕 〔尊敬〕
※四段・ナ変・ラ変の未然形に接続,それ以外には接続しない→要するに語尾が「a」音の動詞の未然形接続
「さす」
未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形 接続 意味
させ させ さす さする さすれ させよ 〔使役〕 〔尊敬〕
※四段・ナ変・ラ変以外の未然形に接続,それ以外には接続しない→要するに語尾が「a」音でない動詞の未然形に接続
接続関係以外に「す」と「さす」で異なることはない。もっとはっきりいってしまえば「さす」の方は語尾が「a」音以外の動詞に「a」音(「さ」)を補って「さす」の形になっていると考えてもよい。現代においてラ抜現象と同じようにサ抜現象はまだ起きていない・・・・・。「食べさせる」を「食べせる」なんてことがもしかしたら今後流行るかもしれない(笑)。
「しむ」
未然形 連用形 終止形 連体形 已然形 命令形 接続 意味
しめ しめ しむ しむる しむれ しめよ 未然形 〔使役〕 〔尊敬〕 〔受身〕
「しむ」は軍記物語(平家物語,平治物語など)にしか登場しない
「しむ」が軍記物語の合戦の場面(チャンチャンバラバラやる場面)に登場するときは〔受身〕の場合もある。これはたとえ自分が「ヤラレタ」ことでも相手に「ヤラサセタ」と表現する武者特有のプライド(というか負け惜しみ)があったからである。とはいえこの当時に実際チャンチャンバラバラやっていた武者たちのほとんどは文字すら読めなかったという話なので軍記物語の作者の負けた者に対するせめてもの情けということだろう。
訳し方の基本:「す」「さす」→『~させる』〔使役〕,『~なさる,お~になる』〔尊敬〕
訳し方の基本:「しむ」→『~させる』〔使役〕,『~なさる,お~になる』〔尊敬〕,『~される』〔受身〕
下に尊敬語(「給ふ」「おはします」「まします」「らる」)がないときは〔使役〕でよい。
下に尊敬語(「給ふ」「おはします」「まします」「らる」)があるときは〔使役〕か〔尊敬〕なので文脈判断する。

0 件のコメント:

コメントを投稿